東京から北陸新幹線に乗って約2時間30分、伝統工芸が世界的にも認めらている北陸の都市・金沢は、加賀藩前田家の城下町として栄え、大きな災害や戦火を免れたため現在でも藩政時代からの美しい街並みが残っています。

その美しい古都には、地元金沢出身の建築家・谷口吉郎とその息子・谷口吉生の建築やプリツカー賞を受賞した建築家ユニット・SANAAが設計した「金沢21世紀美術館」など、日本を代表する有名建築家の作品が数多く建てられています。

今回は、世界的にも評価されている石川県金沢市にある有名建築家たちが設計した建築10選をご紹介します。

1.世界で最も美しい駅「金沢駅(鼓門・もてなしドーム)」

世界で最も美しいと言われる駅の一つ「金沢駅」は、建築家・白江龍三が設計を担当しました。らせん状の柱とゆるやかなカーブを描く面格子の屋根が特徴的な「鼓門」は、「加賀宝生の鼓」をイメージして造られた木造建築です。

鼓門の先には、大きな傘をイメージした「もてなしドーム」が広がっており、アルミニウム合金と強化ガラスで構成されています。雨や雪の多い金沢市で、駅を降りた人にそっと傘を差し出す、おもてなしとも心意気とも言える場所です。

金沢駅

住所:石川県金沢市木ノ新保町1-1-1
公式サイト:https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10050.html

2.旧野球場の敷地を活かした扇型の建築「北陸電力会館・本多の森ホール」

Via : Wikipedia

兼六園のすぐ側に建つ「北陸電力会館・本多の森ホール」は、メタボリズムの提唱者でもある建築家・黒川紀章が設計したコンサートホールです。

石川県営兼六園野球場の跡地に建てられ、その敷地を活かした扇型のヴォリュームになっていて、コンサートホールとして最適な形になっています。外観は、全体の色を「利休ねずみ」と言われるグレーにすることで金沢の街の色彩が映えるように配慮。さらに金沢町家の断面や用水を取り入れたデザインで古都金沢を感じさせてくれます。

北陸電力会館・本多の森ホール

営業時間:9:30〜17:00
住所:石川県金沢市石引4-17-1
電話番号:076-222-0011
公式サイト:http://www.hondanomori-hall.com/

3.SANAAによる金沢の街に開かれたような美術館「金沢21世紀美術館」

Via : Wikipedia.

金沢市の中心部、金沢城公園や兼六園の目の前に位置する「金沢21世紀美術館」は、妹島和世と西沢立衛の建築家ユニット・SANAAによる設計で金沢の街に開かれたような美術館になっています。

裏も表もないガラスのアートサークルが採用され、トップライトや光庭の効果もあって明るく、解放的であると同時に円形の外形は美術館にどこからでもアクセスでき、街とつながっています。大小様々な大きさの展示室が水平方向に配置され、企画展によって順路を自由に設定でき、内部空間も街のような広がりがあります。

参考:SANAAによる画期的で金沢の街に開かれる公園のような美術館「金沢21世紀美術館」

21世紀美術館

開館時間:展覧会ゾーン:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)※5/12〜5/31の間は休場
交流ゾーン:9:00~22:00 *各施設の開室時間はそれぞれ異なる。
休館日:展覧会ゾーン:月曜日(休日の場合は直後の平日)、
年末年始交流ゾーン:年末年始 *各施設の休室日は展覧会ゾーンに準ずる。
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話:0762202800
URL : https://www.kanazawa21.jp/

4.シーラカンスK&Hに世界の魅力的な図書館ベスト20にも選ばれた「金沢海みらい図書館」

Via : Wikipedia

工藤和美と堀場弘による建築家ユニット・シーラカンスK&Hが手がけた「金沢海みらい図書館」は、2012年に世界で最も美しい公共図書館25選にも選ばれた海外からも注目されている図書館建築です。

「ケーキのハコ」をイメージしてデザインされた縦45m×横45m×高さ19mの真っ白い穴の空いた箱のような外観が特徴的。天井高さ12mの大空間に6000個ある小さい穴から十分な採光を確保することで安堵感をもたらし、図書に向かい合える環境を整えています。

金沢海みらい図書館

営業時間:平日10:00〜19:00/休祝日10:00〜17:00
休館日:水曜日
住所:金沢市寺中町イ1番地1
電話番号:076-266-2011
公式サイト:https://www.lib.kanazawa.ishikawa.jp/?page_id=118

5.内井昭蔵による北前船をイメージした「石川県金沢港大野からくり記念館」

Via : Wikipedia

金沢港にある「石川県金沢港大野からくり記念館」は、触って遊べるからくり体験ミュージアムです。日本建築史を代表する建築家・内井昭蔵が設計し、北前船をイメージして設計されました。

日本海に突き出すように建っている外観が印象的で、木造立体トラスによる内部空間も訪れる者を驚かせます。館内には幕末の謎のからくり師・大野弁吉が遺した「からくり人形」や機巧人形「芋掘り長者」が展示され、動く様子を見学でき、触って遊ぶことができるようになっています。

石川県金沢港大野からくり記念館

営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休日:水曜日
住所:石川県金沢市大野町4丁目甲2番29
電話番号:076-266-1311
公式サイト:http://www.ohno-karakuri.jp/

6.谷口吉生設計の思索する建築「鈴木大拙館」

金沢出身の建築家・谷口吉郎の息子である谷口吉生が設計した「鈴木大拙館」は、世界的・仏教哲学者である鈴木大拙の「禅(ZEN)」の思想を国内外の人々に伝え、来館者自身が思索する場となることを目的に建てられました。

館内は、「展示空間」「学習空間」「思索空間」の3つの空間と「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの庭によって構成され、回遊することで様々な体験ができるよう工夫がされています。

参考:建築家・谷口吉生が設計した思索する美しい建築「鈴木大拙館」で日本の禅文化に触れる

鈴木大拙館

営業時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
定休日:毎週月曜日、年末年始、展示替期間
住所:石川県金沢市本多町3丁目4番20号
電話番号:076-221-8012
公式サイト:https://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/index.html

7.谷口吉郎と谷口吉生による唯一の共同の建築作品「金沢市立玉川図書館」

Via : Wikipedia

建築家・谷口吉生が設計した「金沢市立玉川図書館」は、金沢市立で一番歴史ある図書館です。旧専売公社金沢工場の煉瓦造をリノベーションした旧館は、谷口吉生の父である谷口吉郎が手がけた建築で、吉郎・吉生親子の共同の作品としては唯一のものになります。

公園の中にヴォリュームや色彩を抑えながら計画され、円弧上に湾曲した二層分のカーテンウオールを共有することで、図書館とその外部空間がひとつの連続的な空間を創り出しています。

金沢市立玉川図書館

営業時間:平日10:00〜19:00/休祝日10:00〜17:00
定休日:火曜日
住所:金沢市泉野町4丁目22番22号
金沢市立泉野図書館内
電話番号:076-280-2345
公式サイト:https://www.lib.kanazawa.ishikawa.jp/

8.建築家・隈研吾によってリニューアルした美術館「大樋美術館」

Via : Wikipedia

大樋長左衛門窯の敷地内に位置する「大樋美術館」は、江戸時代より金沢で続く窯元「大樋焼」の茶道具を中心に展示する私設美術館です。

併設する大樋ギャラリーと茶室「年々庵」、庭園の設計は隈研吾が担当し、無骨だった建築は、竹や和紙などの地元金沢の自然素材を巧みに取り入れることで、隈研吾らしく解放的で日本的な建築に生まれ変わりました。

大樋美術館

営業時間:9:00〜17:00
住所:石川県金沢市橋場町2-17
電話番号:076-221-2397
公式サイト:http://www.ohimuseum.com/

9.谷口吉郎がかつて暮らした住まいの跡地に建てられたによる「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」

Via : Wikipedia

谷口吉郎がかつて暮らした住まいの跡地に建てられた「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」は、谷口吉郎の息子である谷口吉生が設計を担当しました。建築・都市についての美術館で、魅力的な金沢の建築や街づくりについて学べるだけでなく、建築家谷口親子の建築作品をじっくりと鑑賞することができます

石に覆われた鉄筋コンクリート造とガラス張りの鉄筋造によって構成され、外気から展示室を守る仕組みになっています。正面にある低い庇や縁は、軒高も周囲の景観と調和させるために低めに作り出しています。谷口吉郎の代表作である迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」の広間と茶室を忠実に再現した空間が常設展示され、谷口吉生の洗練されたデザインが展示をより一層際立たせています。

谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館

営業時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日
住所:石川県金沢市寺町5-1-18
電話番号:076-247-3031
公式サイト:https://www.kanazawa-museum.jp/architecture/

10.村野藤吾が設計した3つのアーチ型の窓が特徴的な銀行「北國銀行武蔵ヶ辻支店」

金沢市の近江町市場の脇にある「北國銀行武蔵ヶ辻支店」は、建築家・村野藤吾が手がけた建築です。現在も金沢市民に利用されていることもあり、街に馴染んでいます。

3つのアーチ型の窓が連なるファサードが特徴的で、モダニズム時期の建築でありながらも村野藤吾らしい装飾が美し建築になっています。均等に配置された5つの窓と船のような形をした3つのアーチ型の窓が、シンプルな構成ながらも、新しくもあり懐かしさも感じさせるデザインが印象的な作品です。

北國銀行武蔵ヶ辻支店

営業時間:平日9:00〜15:00
定休日:火曜日
住所:石川県金沢市青草町88番地
電話番号:076-262-2161
URL:https://sasp.mapion.co.jp/b/hokkokubank/info/1102/

古都・金沢の美しい街並みに映える名作建築たち

加賀百万石の時代から有名な書物や学者達を集めて、学問を奨励して来たことから文化の成熟度が非常に高かった金沢は、地元出身でモダニズムの巨匠・谷口吉郎から黒川記章、内井昭蔵といったユニークな建築家の作品が集結してきました。さらに世界的にも評価が高い金沢21世紀美術館ができたことで「建築の街」とも言える魅力的な街になりました。

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